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特定技能の在留資格とは? ビザ申請・必要書類の基礎知識

2024年8月26日

特定技能の在留資格

特定技能の在留資格を取得するためには、正しいビザ申請手続きを理解し、必要書類を揃えることが不可欠です。本記事では、特定技能の在留資格についての基本的な知識と、ビザ申請に必要な手続きや書類を詳しく解説します。外国人労働者の採用を検討している企業や、特定技能のビザ申請を考えている方々にとって、必要な情報をわかりやすくまとめました。スムーズなビザ申請のために、特定技能の在留資格についてしっかりと理解しましょう。

 

 

在留資格とは?ビザとの違い、取得のための申請先について

「在留資格」と「ビザ」は、外国人が日本で滞在するために必要な異なる概念です。

「ビザ」は、外国人が日本に入国する際に、渡航先の日本領事館などで発給される「入国許可証」のようなもの。日本のパスポートを持つ人が観光目的で訪問する場合、多くの国(ビザ免除国)では短期間の滞在であればビザは不要ですが、訪問する国の入国要件によってはビザが必要です。

ビザの申請場所は、通常、日本国外にある日本大使館や総領事館です。外国人が日本に渡航する際に、ビザを申請し、取得することで日本への入国が許可されます。ビザは、日本に入国するための許可証のようなもので、観光、留学、就労などの目的に応じたものがあります。

一方「在留資格」は、日本に入国した後、どのような目的でどのくらいの期間滞在できるかを決めるものです。

在留資格は、日本国内で外国人がどのような活動を行うかに関連するもので、日本人が海外旅行に行く際には「在留資格」は関係ありませんし、外国人が日本に旅行に出る際も、日本国内での在留資格は関与しません。ただし、日本に滞在している外国人が海外旅行をする際には、再び日本に戻ることができるよう、再入国許可が必要になる場合があります。再入国許可を得ていないと、日本に戻る際に在留資格を失う可能性があります。

在留資格の種類には、特定技能、技術・人文知識・国際業務、留学などがあります。在留資格の申請は、日本国内にある入国管理局(出入国在留管理庁)で行います。例えば、外国人がビザを持って日本に入国し、入国後にそのビザに対応する在留資格を取得して、日本国内で活動することが認められます。

ビザは日本に入るためのもので、在留資格は日本での滞在を許可するもの、と考えるとわかりやすいです。

 

 

特定技能制度の在留資格がはじまった背景

特定技能制度は、日本の労働市場における深刻な人手不足を解消するために制定された新しい在留資格で、2019年に導入されました。この制度の在留資格は、一定の技能と日本語能力を持つ外国人が、最大5年間、日本で働くことができるもの。特定技能の在留資格が誕生したことは、日本の人口推移、特に、労働力人口の減少と大きく関わっています。

日本の人手不足は、特に、1980年代から少子高齢化が進行しはじめたことと密接に関連しています。1980年代後半から1990年代にかけて、バブル経済期の経済成長に伴い労働需要が急増し、少子化の進行により将来的な労働力不足が予測されるようになりました。2000年代以降は高齢化の加速により65歳以上の人口が増加し、労働市場からの引退が進みました。同時に、若年層の減少により労働力人口が減少し、企業は人材確保に苦慮するようになりました。2010年代から現在にかけては、全産業にわたる人手不足が顕在化し、特にサービス業、建設業、介護業、製造業で顕著に人手不足が発生しています。アベノミクスによる経済政策で景気が回復する一方で、労働力不足がさらに深刻化しました。このように、日本の人手不足は複数の要因が重なり長期的に続いています。

 

 

在留資格「特定技能」取得に必要な書類や手順について

在留資格「特定技能」の申請の流れと必要書類を説明します。在留資格「特定技能」は、申請後に「在留資格認定証明書」をもって取得となり、この在留資格認定証明書とパスポートでビザの申請を行うことができます。

まずは、「在留資格認定証明書」を申請することがポイントです。

 
1. 雇用先の確保

特定技能の在留資格を取得するためには、まず日本国内の企業で働くことが決定している必要があります。この雇用先が、特定技能で外国人を受け入れるための条件を満たしていることが前提です。

 
2. 技能試験と日本語能力試験

申請者は、希望する特定技能分野に関連する技能試験に合格する必要があります。また、特定技能1号の場合、日本語能力試験(JLPT N4以上)に合格していることが求められます。

 
3. 在留資格認定証明書の申請

雇用が決定し、試験に合格したら、雇用先企業が代理で、入国管理局に「在留資格認定証明書」の申請を行います。この証明書を取得することで、日本への入国と特定技能の在留資格を取得する準備が整います。

必要書類:

  • 在留資格認定証明書交付申請書:入国管理局に提出。
  • 雇用契約書の写し:労働条件や勤務内容を示すもの。
  • 技能試験の合格証明書:特定技能分野での技能を証明するもの。
  • 日本語能力試験の合格証明書:日本語能力を証明するもの(特定技能1号)。
  • 雇用先企業の概要書:企業の業務内容や規模に関する情報。
  • 申請者の履歴書:学歴、職歴などを含む。

 
4. 在留資格認定証明書の取得

申請書類が受理され、審査に通過すると、入国管理局から「在留資格認定証明書」が交付されます。これが発行されることで、日本に入国するための手続きを開始できます。

 
5. ビザ申請

在留資格認定証明書を持って、日本国外の日本大使館または総領事館でビザの申請を行います。申請時には、在留資格認定証明書とパスポートを提出します。

 
6. 日本への入国と在留カードの取得

ビザが発給され、日本に入国すると、空港の入国審査で在留カードが発行されます。このカードは、外国人が日本に滞在するための証明となる重要な書類です。

このように、在留資格「特定技能」の申請は、雇用先の確保、必要な試験の合格、書類の準備と申請、そしてビザの取得といったステップを経て行われます。

 

 

特定技能の在留資格は2種類、特定技能1号と特定技能2号の違い

特定技能1号と特定技能2号は、いずれも日本で特定の業務に従事する外国人向けの在留資格ですが、求められる技能のレベルや在留期間、家族の帯同といった点で異なります。

特定技能1号は、特定の産業分野において「相当程度の知識や経験」を必要とする業務に従事する外国人に与えられる在留資格です。この在留資格では、技能水準は試験で確認されますが、技能実習2号を修了した者については、その試験が免除される場合もあります。また、日本語能力についても生活や業務に必要なレベルが求められ、試験で確認されます。ただし、技能実習2号を修了した者は、日本語試験も免除されることがあります。特定技能1号の在留期間は通算で最大5年間となっており、家族の帯同は基本的に認められていません。さらに、この資格で働く外国人は、受け入れ企業や登録支援機関からのサポートを受けることが義務付けられています。

一方、特定技能2号は、同じく特定の産業分野に属する業務に従事する外国人を対象としていますが、こちらでは「熟練した技能」が求められます。特定技能2号では、在留期間に上限がなく、更新を続けることで長期的に日本に滞在することが可能です。日本語能力については、特定技能2号では試験が不要であり、日本語の技能は問われません。また、特定技能2号を持つ外国人は、要件を満たせば配偶者や子供を帯同することが認められています。このように、特定技能2号はより高度な技能を持つ労働者に対して長期的な滞在と家族帯同の可能性を認める制度となっています。

特定技能1号は初期段階の外国人労働者を対象としており、5年間の在留期間と基本的に家族帯同が認められない点が特徴です。対照的に、特定技能2号は熟練した技能を持つ労働者を対象とし、在留期間の上限がなく、家族帯同が可能である点が大きな違いとなっています。

 

 

特定技能の在留資格やビザ申請・必要書類の基礎知識のまとめ

特定技能の在留資格は、日本の労働市場における人手不足を解消するための重要な施策です。適切な手続きを踏むことで、外国人労働者をスムーズに受け入れることができます。本記事で紹介したビザ申請の流れや必要書類を参考に、特定技能外国人労働者の受け入れを検討してみてください。特定技能の在留資格に関する正確な知識を持つことが、成功の鍵となります。このようにして特定技能の在留資格を理解し、効果的に活用することで、日本の労働市場の活性化と企業の成長に貢献できます。特定技能制度は、企業が直面する人手不足の問題を解決するだけでなく、多様な人材を受け入れることで、新たな視点やアイデアが生まれる環境を作り出します。企業の持続可能な成長と社会全体の発展に向けて、特定技能制度を積極的に活用しましょう。

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