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特定技能とは? 外国人の受入れまでの流れをわかりやすく解説

2024年8月26日

特定技能とは

特定技能とは、日本の労働市場で即戦力となる外国人労働者を受け入れるために設けられた在留資格制度です。今も多くの企業がこの特定技能制度を利用して、深刻な人手不足を解消しています。本記事では、「特定技能とは」何かを詳しく説明し、外国人労働者を受け入れるまでの具体的なステップをわかりやすく解説します。受け入れの準備から選考、在留資格の申請、入国、そして就労開始までの流れを一つ一つ丁寧に紹介し、スムーズな受け入れプロセスをサポートします。

 

 

特定技能とは何か? 特定技能1号2号・技能試験について

特定技能とは、日本政府が2019年に導入した新たな在留資格の一つで、日本で特定の業種で働く外国人労働者を受け入れるための制度です。この資格は、深刻な人手不足に悩む業種において、一定の専門的な技能を持つ外国人労働者を受け入れることを目的としています。特定技能は、「特定技能1号」と「特定技能2号」の2つに分かれています。

 

◎特定技能1号とは・・・

  • 最長で5年間日本に滞在可能
  • 家族の帯同は原則として認められない
  • 該当する業種は14分野(介護、ビルクリーニング、製造業、建設業など)

 

◎特定技能2号とは・・・

  • 期間の制限なしで日本に滞在可能
  • 家族の帯同が認められる
  • 該当する業種は建設業と造船・舶用工業の2分野
  • 特定技能取得のための条件

 

 

外国人が特定技能の在留資格を取得するための条件とは

特定技能制度で外国人が働くためには、まず特定技能1号に該当する業種ごとに実施される「技能試験」に合格することが必要です。技能試験は、各業種の専門的な技術や知識を評価するものです。例えば、介護分野では介護技能評価試験が行われ、介護の基本的な知識や実務スキルが問われます。また、外食業では、調理や接客に関する実技試験や筆記試験が実施され、一定の水準をクリアすることが求められます。これらの技能試験に合格することで、特定技能1号の在留資格を取得するための重要なステップを踏むことができます。

また、技能試験の合格以外に、日本語能力試験(JLPT)でN4以上のレベルに合格することが求められます。N4以上のレベルとは、日常的な場面での会話がある程度理解でき、基本的な日本語の理解ができる初級から中級のレベル。例えばN4レベルの人は、日常生活で「今日の天気はどうですか?」や「駅までどうやって行けばいいですか?」といった基本的な質問を理解し、簡単な答えを返すことができます。仕事や学業の場での複雑な議論や専門的な内容は難しいですが、日常的なコミュニケーションには支障が少ないレベルです。

「技能試験」と「日本語能力試験N4以上のレベル」、これら二つの試験に合格することで、特定技能外国人としての基本的な要件を満たします。さらに、日本国内の企業と適切な雇用契約を結ぶことで、企業との契約に基づいて外国人労働者が日本での就労を開始できます。特定技能制度は、労働者と企業の双方にとって大きな利益となっています。

 

 

外国人労働者の受入れまでの流れについて解説

外国人労働者を受け入れるためには、いくつかのステップを踏む必要があります。
まず、受け入れ企業は、外国人労働者が安心して働ける環境を整えるための体制を整えます。例えば、生活支援体制や労働環境の整備、そして、労働条件を明記した雇用契約書を準備する必要があります。次に、受け入れ企業は、外国人労働者の募集と選考を行います。企業のウェブサイトや求人サイトを通じて求人情報を公開し、応募者の中から、技能試験や面接を通じて適任者を選びます。選考を通過した外国人労働者は、在留資格の申請を行います。日本の入国管理局に対して、在留資格認定証明書の交付申請を行い、技能試験の合格証明書や日本語能力試験の合格証明書などの必要な書類を提出します。

在留資格が認められると、外国人労働者は日本に入国し、就労を開始できます。在留資格認定証明書を持参し、入国手続きを行い、受け入れ企業での就労を開始した後も、企業は外国人労働者が円滑に働けるよう随時サポートを提供する必要があります。

 

 

特定技能の在留資格を取得するための必要書類について

特定技能の在留資格を取得するためには、以下の書類が必要です。在留資格認定証明書交付申請書、技能試験の合格証明書、日本語能力試験の合格証明書、雇用契約書、パスポートの写し、顔写真、申請人の履歴書、企業側の受け入れ体制に関する書類です。特定技能の在留資格は、必要に応じて更新や変更が可能です。特定技能1号の在留期間が満了する前に、更新手続きを行う必要があります。更新申請には、引き続き雇用契約が継続していることを証明する書類が必要です。特定技能1号から特定技能2号に変更する場合や、他の在留資格に変更する場合などの変更申請には、新しい在留資格に応じた必要書類を提出する必要があります。

 

 

特定技能制度の管轄について

特定技能制度の管轄は、主に「法務省出入国在留管理庁」と「厚生労働省」に分かれます。法務省出入国在留管理庁は、在留資格の認定や更新、変更などの手続きを担当し、外国人労働者の在留管理全般を行います。一方、厚生労働省は、特定技能外国人の労働環境や雇用条件の監督を行い、適正な労働環境の確保を図ります。また、技能実習制度から特定技能制度への移行に関するガイドラインの策定も行います。この二つの省庁が連携し、特定技能外国人が日本で適切に就労できるようにサポートしています。申請手続きに関しては、地方出入国在留管理局で行われ、在留資格認定証明書交付申請、在留資格変更許可申請、在留期間更新許可申請などが必要です。これにより、外国人労働者の受け入れ体制が整備されています。

 

 

日本の「特定技能制度」に似たような制度は海外にもある⁉

海外にも日本の特定技能制度に似た制度があります。以下に、代表的な国々の制度をいくつか詳しく解説します。

 
● アメリカ:H-1Bビザ

H-1Bビザは、特定の専門職での就労を希望する外国人労働者に発行されるビザです。IT、エンジニアリング、医療、教育などの分野での高度な専門知識が求められます。

  • 管轄:アメリカ合衆国市民権移民業務局(USCIS)
  • 申請要件:学士号以上の学歴/申請企業からの雇用証明/労働条件認定(LCA)の取得
  • 制限:年間発行数に制限あり(通常85,000件)

 
●ドイツ:ブルーカードEU

ブルーカードEUは、EU加盟国における高度技能労働者向けの就労ビザです。主に技術者、医師、IT専門家が対象となります。

  • 管轄:各国の移民局(ドイツでは連邦移民難民庁)
  • 申請要件:大学の学位/申請職種に関連する雇用契約/年収基準(ドイツの場合、2023年は年収56,800ユーロ以上)
  • メリット:家族の帯同が容易、EU内の移動が比較的自由

 
●カナダ:エクスプレス・エントリー

エクスプレス・エントリーは、カナダの移民プログラムで、スキルに基づいたポイント制で評価されます。技術労働者、熟練労働者、経験者が対象です。

  • 管轄:カナダ移民・難民・市民権省(IRCC)
  • 申請要件:技術職種での職歴/英語またはフランス語の語学能力/学歴や年齢などに基づくポイントシステム
  • プロセス:プロフィール登録/定期的な抽選で選ばれた候補者が永住権申請

 
●オーストラリア:技術移民ビザ(Skilled Migration Visa)

技術移民ビザは、オーストラリアでの労働力不足を補うための制度で、ポイント制に基づいて評価されます。

  • 管轄:オーストラリア内務省
  • 申請要件:技術職種での職歴/英語能力試験/健康診断と品行証明
  • ポイントシステム:年齢、職歴、学歴、英語能力などに基づく評価

これらの制度は、日本の特定技能制度と同様に、特定の技能や専門知識を持つ外国人労働者を受け入れるためのものであり、各国の労働市場のニーズに応じて設計されています。それぞれの制度には独自の要件やプロセスがありますが、共通して高度な技能や専門知識を持つ労働者を対象としています。

 

 

「 特定技能とは ? 外国人の受入れまでの流れ 」のまとめ

特定技能外国人を受け入れることで、企業が得られる一番のメリットは労働力を確保できることです。特に深刻な人手不足に悩む業界では、すぐに仕事をこなせる外国人労働者を採用できるのが大きな強みです。さらに、異なる文化を持つ外国人労働者が職場に加わることで、企業内に多様性が生まれ、国際的な視野が広がります。また、特定技能外国人は一定のスキルと経験を持っているため、業務の効率化や技術力の向上にも貢献します。この制度をしっかり理解し、外国人労働者を受け入れるための準備を進めることで、企業はスムーズに彼らを迎え入れることができます。異文化交流を通じて企業や地域の魅力を高め、国際的なネットワークを築くことは、将来の日本経済の発展にもつながります。

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