造船・舶用工業分野の特定技能外国人採用ガイド|受け入れ条件・必要な手続き・注意点を解説
2026年7月1日

造船・舶用工業では、現場を支える技能人材の確保が大きな課題となっています。日本の主要な造船拠点である瀬戸内・九州エリアでは、少子高齢化と若者の都市部への流出により、若手人材の確保が難しい状況が続いています。その中で、検討しやすい活用方法のひとつが、在留資格「特定技能」による外国人材の受け入れです。
特定技能外国人を受け入れるためには、対象業務の確認、国土交通省への事業者確認申請、造船・舶用工業分野特定技能協議会への加入、支援体制の整備など、事前に確認し、行うべき手続き等があります。
本記事では、「特定技能制度 造船・舶用工業分野」の概要、対象業務、必要な手続き、受け入れまでの流れ、採用時の注意点を、経営者・採用担当者向けにわかりやすく解説します。
※本記事は2026年5月時点の公表情報をもとに作成しています。特定技能制度は法令改正や運用要領の改正が頻繁に行われる傾向があるため、実際の受け入れ・申請にあたっては、出入国在留管理庁、国土交通省、造船・舶用工業分野特定技能協議会等の最新情報をご確認ください。
参考:国土交通省「造船・舶用工業分野における新たな外国人材の受入れ(在留資格『特定技能』)」
https://www.mlit.go.jp/maritime/maritime_fr5_000006.html
参考:出入国在留管理庁「特定技能制度」
https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/index.html
特定技能「造船・舶用工業」とは
特定技能制度は、人手不足が深刻な産業分野で、一定の日本語能力と専門的技能を有する外国人材を受け入れるために創設された在留資格です。
造船・舶用工業は、2019年4月の制度開始当初から対象分野となっており、造船所や舶用機械・舶用電気電子機器関連の製造現場で、一定の技能を持つ外国人材を受け入れることができます。
令和6年3月29日の閣議決定により、特定技能制度の基本方針及び分野別運用方針が変更され、造船・船用工業分野では、業務区分がこれまでの6区分「溶接」「塗装」「鉄工」「仕上げ」「機械加工」「電気機器組立て」から「造船」「舶用機械」「舶用電気電子機器」の3区分に再編されました。
特定技能1号と2号の違い
| 区分 | 主に従事する業務 | 在留期間と家族帯同の可否 |
| 特定技能1号 | 相当程度の知識または経験を必要とする技能を要する業務に従事。造船・舶用工業分野では、対象区分に応じた業務に従事します。 | 通算で上限5年。原則として家族帯同は認められていません。 |
| 特定技能2号 | 熟練した技能を要する業務に従事。現場での作業に加え、工程管理や複数作業員の指導・管理などを担うことが想定されます。 | 在留期間の更新上限はありません。要件を満たせば配偶者・子の帯同が認められます。 |
特定技能2号は「無期限に滞在できる」という意味ではなく、在留期間の更新上限が設けられていない在留資格です。更新が認められるためには、引き続き要件を満たす必要があります。
対象となる業務区分
以下は造船・舶用工業分野の業務区分と、従事する主な業務になります。
造船(船舶の製造工程の作業に従事)
従事する主な業務:溶接、塗装、鉄工、とび、配管、船舶加工
舶用機械(舶用機械の製造工程の作業に従事)
従事する主な業務:溶接 、塗装、鉄工、仕上げ、機械加工、配管、鋳造、金属プレス加工、強化プラスチック成形、機械保全、船用機械加工
舶用電気電子機器(舶用電気電子機器の製造工程の作業に従事)
従事する主な業務:機械加工、電気機器組立て、金属プレス加工、電子機器組み立て、プリント配線板製造、配管、機器保全、船用電気電子機器加工
以前の資料や古い記事では、溶接・塗装・鉄工・仕上げ・機械加工・電気機器組立ての6区分で説明されている場合があります。しかし、現在は3区分に再編されているため、採用前に国土交通省の最新資料などで、配置予定業務がどの区分に該当するかを確認してください。
造船・舶用工業分野で特定技能人材を採用するメリット
メリット1:技能を確認したうえで採用できる
特定技能外国人は、原則として分野ごとの技能試験と日本語試験に合格しています。そのため、採用前に一定の技能水準や日本語能力を確認したうえで採用選考を進めることができます。
メリット2:長期的な人材育成を見据えやすい
特定技能1号で受け入れた人材が経験を積み、要件を満たして特定技能2号へ移行できれば、在留期間の更新上限がなくなるため、長期的な雇用を見据えやすくなります。技能継承や現場リーダー候補の育成を考える企業にとって、1号から2号へのキャリアパスを示すことは、人材のモチベーションの向上や長期定着にもつながります。
メリット3:海外人材の活用により採用の選択肢が広がる
国内人材を確保することが難しい場合、特定技能制度を活用することで、海外在住者や国内在留者まで採用候補を広げることができます。特に西日本エリアの造船関連企業では、地域の人口減少や若年層採用の難しさを踏まえ、計画的な外国人材採用を検討する企業も増えています。
受入れ企業側の主な要件
以下は造船・舶用工業分野で特定技能外国人を受け入れる企業が行うべき主な要件になります。
- 国土交通省に、造船・舶用工業事業者の確認申請を行うこと
- 造船・舶用工業分野特定技能協議会へ加入すること
- 1号特定技能外国人を受け入れる場合、支援計画を作成し、必要な支援を実施すること
- 支援を自社で行うことが難しい場合は、登録支援機関へ委託すること
- 雇用形態は直接雇用であること(※派遣での受入れは認められていません)
- 同じ業務に従事する日本人労働者と同等以上の報酬など、適切な労働条件を明示すること
国土交通省の案内では、令和6年6月15日以降、様式第1号(造船・舶用工業事業者の確認申請書)と様式第7号(協議会加入申請書)は同時申請が必要とされています。また、確認には申請件数により時間がかかることがあり、目安として15営業日程度とされています。採用予定がある場合は、余裕をもって準備することが重要です。し、就労開始となります。就労開始後は支援計画に基づいた支援を実施していきます。
受入れまでのおおまかな流れ
・自社の事業内容や配置予定業務が、造船・舶用工業分野の対象に該当するか確認する
・国土交通省への事業者確認申請と、造船・舶用工業分野特定技能協議会への加入申請を進める
・人材紹介会社・登録支援機関を選定し、採用活動を開始する
・候補者の書類選考・面接を行い、内定後に雇用条件を整理する
・在留資格認定証明書交付申請または在留資格変更許可申請を行う
・許可後、入国・入社手続きを経て、生活オリエンテーション・安全教育を実施し、現場配属を行う
・就労開始後は、支援計画に基づく定期面談の実施や生活・就労への支援を継続する
海外から新たに受け入れる場合、採用から就労開始まで3〜6か月程度を見込むケースが多いですが、協議会加入、在留資格申請、候補者の国籍・居住国ごとの手続き、などの書類準備から許可に至るまでの期間によって前後します。
アイリティーのWebサイトでも、採用までの流れを紹介しています。
採用までのステップ
造船・舶用工業分野でよくある質問
Q. 何人まで受け入れられますか?
造船・舶用工業分野では、建設分野や介護分野のように分野特有の受入れ人数上限は設けられていません。ただし、自社の事業規模、常勤職員数、支援体制、業務量に見合った適正な受入れを行うことが重要です。
Q. 支援業務は自社で行う必要がありますか?
1号特定技能外国人を受け入れる場合、受入れ企業には支援計画に沿った支援を適切に実施する義務があります。自社で実施することも可能ですが、支援体制の整備が難しい場合は、登録支援機関に委託することができます。初めて特定技能外国人を受け入れる企業では、登録支援機関への委託を検討する傾向も見られます。
Q. 西日本エリアでも相談できますか?
アイリティーは西日本エリアを中心に、特定技能外国人の紹介・支援を行っています。造船所や製造業が盛んなエリアの企業様も、配置予定業務や受入れ時期を整理したうえでご相談ください。
インドネシア人材を検討する際のポイント
特定技能外国人を採用する際、国籍だけで可否を決めるべきではありません。採用にあたっては、候補者本人の技能、日本語能力、希望条件、就労意欲、現場との相性など、総合的に確認することが大切です。
そのうえで、近年はインドネシア人材を採用候補として検討する企業も増えています。出入国在留管理庁では特定技能在留外国人数を国籍別・産業分野別に定期的に集計・公表しており、インドネシア国籍の在留者数は増加傾向にあります。
また、JICAが開催した「インドネシア・日本人材フォーラム2024」でも、インドネシアから日本への人材送出しや日本語教育、技能訓練、適正な受入れに関する意見交換が行われています。インドネシア国内でも海外就労への関心が高まっており、日本での就労を希望する人材の育成・送出し体制の整備が進められています。
ただし、「インドネシア人は必ず真面目」「誰でも日本の職場にすぐ馴染む」といった国籍による一律の判断は適切ではありません。採用時は、候補者一人ひとりの経験、考え方、日本語能力、家族状況、希望勤務地、宗教・生活上の配慮事項などを丁寧に確認することが重要です。
参考:出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数の公表等」
https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/nyuukokukanri07_00215.html
参考:JICA「インドネシア・日本人材フォーラム2024」
https://www.jica.go.jp/information/seminar/2024/20240917.html
アイリティーのサポート
アイリティーは、特定技能インドネシア人材に強みを持つ人材紹介会社・登録支援機関です。インドネシアで10年以上の実績を持つ送出機関と連携し、グループ全体で4,000人以上の人材をご紹介してきた実績があります。
採用前には、業種や企業規模に応じた受入れ準備、採用スケジュールの整理、社内説明資料の作成、住居確保や生活支援に関するアドバイス、文化・宗教への配慮事項の共有などをサポートします。
入社後も、生活オリエンテーション、銀行口座開設や各種契約・行政手続きのサポート、生活面・仕事面の相談対応、定期面談などを通じて、企業様と外国人材の双方が安心して働ける環境づくりを支援します。
インドネシア語に対応できるスタッフが在籍しており、母国語で相談できるサポート体制も整えています。
直近の採用実績は、以下の採用実績ページよりご覧ください。
特定技能制度について詳しく知りたい方向けに、無料資料もご用意しています。
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